2010年12月22日

12月 写真展

12月 写真展

『鳥渡・3』広瀬 勉@M2ギャラリー
モノクロの写真.すごいよかったです.

『On the circle』普後 均@Nikon Salon
第35回伊奈信男賞受賞作.
直径4mほどの貯水槽の上でいろんなものを撮った作品.
Nikon salonのページで解説がある様に,一つ一つの写真が呼応する形で,世界が表現されていました.写真それぞれは,力の入り方や被写体が違ってますが,円の上である,という共通項が作品にまとまりと広がりを同時に与えているようです.
時にセンチメンタルだったり時に作り込まれていたり,作者の揺らぎが写っていて,それがまた写真的で良かったです.

『father』金川晋吾@Nikon Salon
第12回三木淳賞受賞作.
蒸発を繰り返す,自らの父親を撮った作品.
視線が冷静です.入れ込みすぎず,表現しすぎる事もなく,人間が空っぽになる,という事を撮っているようです.
たぶん,すごい虚しかったんじゃないでしょうか.
ガラス越しの作者自身の写真も1枚ありました.
僕は父さんの事を分からないし,父さんも僕の事は分からない,みたいな虚しさが漂ってました.

『Wine Collection』大和田良@EMON Photo Gallery
記録とはなんぞや.
物理情報のすべてを記録できるメディアは残念ながら存在しない.あれば,みんなそれを使うだろうか.
きっと情報量が多すぎて大変なんじゃないかな.
未だに記録できないのは,匂い?
匂いの再現を研究している人もいますが,ものすごい装置が必要なようです.
匂いの成分を調合して,プシュ,とガスを放出する装置.
科学技術が発達した現代に於いても(100年後の未来からしたら,現代の科学技術なんてまだまだなのだろうか)人間の想像力の力を借りないと,記録を再現できません.
写真もそう.不完全な記録メディア.
ワインの色を撮ったって,そもそも光のあたり方で色なんて変わるし,だいたいワインてのは,大事なのはまず味と香りで,ワインの色を記録してどうする?と,思わなくもない.
大和田さんはとっても頭が良さそうなので,そんな事は分かった上で撮っているのでしょう.
じゃ,なぜこの写真が面白いのか.
それは,やっぱり美しいからじゃないでしょうか.
何とも言えない深紅のグラデーション.
それを作り出しているのが,コレクションに値するような高価なワインであって,それ故の色だと思うと,なんだか高貴な感じがします.
記録というより,高尚な色遊び.
だって,写真の下にどこそこで作られたどれそれというワイン,って書いてあるけど,正直どんなワインの名前が書いてあったって,信じるしかないし,はっきり言って違いが分かんない.最初に書いた通り,色なんて光の当て方でかわるから(見れば分かるけど,正確な色出しを目的として撮られてはいない).それに,もしかしたら,私が飲むようなテーブルワインで撮っても,すごいきれいな色が出るかもしれない.
写真が不完全なメディアだからこそ楽しめる写真だし,成立するというところで,やっぱりこれも写真なんだと思いました.
posted by Ryo Yamashita at 04:25| Comment(0) | 写真
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